遺産は亡くなった人の大切な思いです。たとえ自分のものだとしても、できれば有意義に使いたいですよね。困っている人に寄付するのもよいかもしれません。
しかしお金を増やして相続した人がもっと幸せになれれば、遺産を残した人もきっと喜んでくれることでしょう。
そこで、遺産を生かすための様々な投資の方法についてご紹介します。
- 遺産で大金を受け取った際の主な使い道
- 遺産を賢く使う方法とは
- おすすめの投資方法
目次
遺産を受け取った際の主な使い道

初めに、大金の遺産を受けとったときの主な使い道を考えてみましょう。
堅実に資金として貯金する
子供がまだ小さい場合には今後、学費や塾などの費用、部活に必要な費用など多額の教育費が子供の人数分かかります。
同時に、両親が年を取り病気や認知症を発症した場合の介護費用も貯金しておく必要があります。いつ襲ってくるかわからない災害に備えて貯金する場合もあるでしょう。子供の結婚資金のために貯金をするという人もいます。自身の老後の生活費も必要です。
しかし未曽有の低金利時代となり、うっかりするとATMの利用手数料で1年分の利息が失われてしまうことすらあります。貯金はもっとも堅実な投資の方法といえますが、増やすことを考えると得策とはいえません。
まとまった額の大きな買い物をする
遺産で大金が手に入ったのですから、思い切って今まで手が出なかった住宅や車の購入を検討するのもよいかもしれません。
少し贅沢な海外旅行を計画するのもよいでしょう。美術品に詳しいなら美術品を購入し、値上がりしたら売却すれば利益を生みます。
人によっては、島や山、船を買うなどというお金の使い道もあります。
資産運用や投資に回す
超低金利時代が続く日本では、資産を増やしたいなら投資をして資産を運用する必要があります。投資はハイリスクハイリターンが原則で、リスクの高いものほど利益も大きくなります。
投資の種類は多く、貯蓄型保険や投資信託、不動産投資などがあります。少額からでも投資でき、専門家に任せることも可能です。
貯金は、元本が保証されたローリスクローリターンの投資といえます。金融機関が預けたお金を運用して増やし、利息をつけて返しているからです。
しかし、一般的に投資といわれる金融商品には元本の保証はありません。利益が出ずに元本割れすると出資金が減り、ときにはなくなってしまうというリスクもあるため当面使い道のないお金を充てることが肝要です。
遺産を賢く運用するおすすめの方法

主な遺産の運用方法について、詳しくご説明します。
貯蓄型保険
貯蓄型保険は将来に備えて入る保険です。死亡に備える終身保険や老後に備える養老保険、子供の教育資金のための学資保険や公的年金以外に自分で年金を用意する個人年金保険があります。
貯蓄型保険なら万一の場合の保障を確保しながら、貯蓄することができるので貯蓄が苦手な人に向いています。契約者貸付金がついていれば解約返還金の中から審査なしで貸し付けが受けられ、多くの場合通常のローンよりも低金利です。
貯蓄型保険は一般的に満期保険金が支払った保険金の総額よりも高く、投資効果の高い商品もあります。ただしかけ捨ての保険よりも保険料は高く、貯金ではないので好きなときに引き出すことはできません。
早期に解約すると解約返還金が支払った保険料よりも少なくなることがあるので、貯蓄型保険は計画的に加入しましょう。
投資信託
投資信託は投資家からお金を集めて専門家が株などに投資し、利益が投資額に応じて分配される商品です。
投資信託は、証券会社や銀行などで購入することができます。公募の投資信託なら誰でも購入することができますが、募集期間にだけ購入できるものといつでも購入が可能なものに分かれています。
専門家が投資を行い、株や債券などに分散させて投資を行うのでリスクを低減することが可能です。原則として毎日基準価額が公表されるので、わかりやすくなっています。決算ごとに監査を受けるので、安全性も高いといえます。
しかし元本の保証はなく価格や為替などの変動リスクがあり、利益が出ないと出資額が目減りしたり失ったりすることがあります。出資額に合わせてリターンが決まるので、少額の投資では高い利益は望めません。
不動産投資
不動産投資は土地やマンションなどの不動産を購入して、売買したり人に貸したりして利益を得る方法です。
家賃は変動が少ないので安定した収入になり、不動産の購入資金を金融機関から借りた場合は返済に回すこともできます。返済が終われば老後の生活資金などとして、貯蓄したり使ったりすることが可能です。物価の変動に強く、相続税の節税になります。
デメリットとしてローンを利用して不動産を購入した場合でも、登記費用などある程度の自己資金が必要です。売買には時間がかかり、賃貸では空室が出るリスクがあります。管理費がかかり、災害などで建物の修繕が必要になることも考えられます。
積み立てNISA
積み立てNISAは投資信託の一種で、公募株式投資信託と上場株式投資信託に限定されます。手数料が低水準で、分配金や譲渡益が非課税になります。
初心者でも少額で始められ、長期の積み立て分散投資に適した商品です。
積み立てNISAは、2042年までしか投資することができません。非課税投資枠は新規投資額で毎年40万円が上限です。
非課税の期間は最長で20年で、その期間を過ぎると一般口座などの課税口座に払い出されます。一般NISAなどとは異なり非課税期間の終了後は、非課税投資枠を翌年へ移すことはできません。
経営投資
経営投資は、なんらかの経営へ資金を投入し、利益をあげることをいいます。経営投資が成功すれば、多額の収益を得ることができるチャンスがあります。
例えば、コンビニエンスストアやコインランドリーを経営する方法があります。コンビニエンスストアやコインランドリーはライフスタイルの変化などにより、今後も利用が増えることが予想される将来性のあるビジネスです。初期費用が必要になりますが、経営がうまく行けば、数年で初期費用の回収も可能です。
また、コインランドリー経営では、初期費用は設備投資に当たります。青色申告で税制優遇制度を利用し初期費用を損金算入することで、所得金額を減らすことができるので節税が可能です。
税額控除の特例を受ければ、法人税そのものを減らすことができます。固定資産税の特例を受けることができれば、固定資産税も優遇されます。
自分に合う投資で遺産を増やそう
大金の遺産を賢く使うには、投資という方法が当てはまるでしょう。しかし、投資にはリスクもつきものです。この記事を参照にして、自分に合った投資方法を選択し、賢くお金を増やすことができたら将来も安心です。
初めての本格的な投資で不安なら、少額から始められる積み立てNISAを利用して練習するのもよいかもしれません。また、思い切って経営投資を始めれば、資金を回収して大きな利益を上げることも可能です。