アメリカの若い世代を中心に注目されつつあるFIREは、早期退職をして早めに悠々自適な人生を楽しもうとする動きのことです。
日本でも徐々に興味を持たれていますが、セミリタイアとはどのような違いがあるのか、そしてこれらを目指すには何をすべきかなど、分からないことも多いです。
そこでこちらでは、FIREとセミリタイアの意味や達成するためにすべきことについて見ていきます。
- FIREとセミリタイアの違い
- FIREとセミリタイアを目指すには
目次
FIREとセミリタイアの意味

FIREとセミリタイアはそれぞれどういった意味なのか、具体的にどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
セミリタイアとは?
セミリタイアとは、フルタイム勤務を辞めて自由時間や自分なりの生活を大切にしながら、生活に必要な分だけ働くライフスタイルです。
現在の職場を辞めた後も多少は働きますが、通常は資産運用による不労所得や貯蓄を取り崩して生活費の大半を賄うため、好きな時間に好きな仕事をする傾向が見られます。
収入はフルタイム勤務の時に比べて減少しますが、全く収入がなくなるわけではないので突発的な支出に怯えることもありません。
FIREとは?
FIREは経済的な独立と早期退職を意味する「Financial Independence and Early Retirement」の頭文字からなる造語です。
仕事で得た収入の大部分を貯蓄や資産運用に回し、早いうちに経済的な安定を確立してから退職し、自由に生きていく考え方です。
つまり、セミリタイアもFIREも早期退職をするという点では違いはありません。
また、FIRE後に全く仕事をしない完全リタイアとセミリタイアに分かれることから、セミリタイアもFIRE後の方針の一つということになります。
FIREやセミリタイアを目指すには?

FIREやセミリタイアを達成するには、いくつかの準備が必要です。以下に内容を見ていきましょう。
FIRE後のライフプランを立てる
FIRE後に収入が全くなくなるのか、セミリタイアや資産運用で収入を得るのかによって、必要な資金は異なります。また、家の修繕や車の買い替え、子供の進学や結婚などのライフイベントも考えてトータルの必要金額を算出しなければなりません。
現状思いつくライフイベントをきちんと記載しておきましょう。
年間の支出を試算する
次に、年間の支出がいくらになるか試算します。
アメリカでは年間生活費の25倍を投資元本として用意して、その全額を年間4%の利回りで運用すれば元本を減らさずに生活ができるという「4%ルール」の考え方があります。
家族構成や子供の年齢、持ち家の有無などによって年間の支出額は異なりますが、家計簿をつけて自分の世帯における平均的な年間の支出を計算してみましょう。
必要な資産額を計算
ライフプランと年間支出の試算ができたら、必要な資金額を計算します。年金の支給が始まるまでは手元の資金と運用収益のみで生活しなければなりませんので、ゆとりを持った金額に設定しておきましょう。
例えば、上記の4%ルールを参考にすれば、年間支出が240万円の場合240万円×25年=6000万円が運用に必要な元本です。
今後大きな支出が予想される場合には、上記で算出した金額にライフイベントで必要と思われる資金を加えたものが必要な資産額になります。
資産を確保する
FIREやセミリタイアを実現できるだけの試算となると、かなりまとまった金額になります。以下に資産を確保するための手段をいくつか見ていきましょう。
固定費を見直す
住居費や保険料、通信費などの毎月同じ金額が出ていく固定費は、一度見直すだけで継続的に支出を抑えることができる科目です。
築年数や利便性を妥協して家賃の支払いを落とす、保険の保障内容を必要最低限にする、プランやキャリアを見直して通信費を下げるなど、自分に合った見直しをしましょう。
投資など本業以外で収入を得る
完全リタイアの場合、貯蓄を取り崩して生活するのは少々不安です。セミリタイアをするにしても、希望する仕事がいつもあるとは限りませんし、働けなくなる可能性もあります。
そのため、運用収益や不動産所得などの本業以外で収入を得る手段を確保しておくと、いざというときに慌てずにすみます。
本業以外の収入が安定すると資産の取り崩しも抑えられるため、精神面でも安心が得られるでしょう。
資産運用をする
まとまった資金を持って早期退職するFIREでは、その元手を利用して資産運用による運用益を得るのが一般的です。とはいえ、今後の生活を支える大切な資金なので、いい加減な使い方はできません。
一部は突発的な支出用に現金で残しておき、すぐには使わない資金を運用に回すと良いでしょう。
株や仮想通貨のような大きなリスクを取って短期間に収益を出そうとするのではなく、長期的な積立投資のようにリスクを抑えつつ複利による収益アップを目指すのがおすすめです。
しっかりした計画と長期的な努力が必要
このように、FIREでもセミリタイアでも、綿密なライフプランの設計と試算を行った上で長期的な運用や家計のやりくりなどの努力が必要です。
FIRE後の自由な生活は魅力的ですが、ストレスなく生活できる環境を手に入れるためにも、目標の資金額をしっかり定めておきましょう。
運用も節約も時間が味方になりますので、早めに始めるのがおすすめです。