外貨預金には通常の預金とは異なるさまざまな特徴があります。
外貨預金にはメリットとデメリットもあり、外貨預金のことを詳しく知っていればより活用しやすくなります。外貨預金の仕組みをより詳しく知るためには、円高や円安の知識も必要です。
ここでは、このような外貨預金に関するさまざまな情報を、詳しくご紹介します。
目次
外貨預金の特徴や使い方とは?

外貨預金は為替や外国金利の影響を受ける
外貨預金の大きな特徴は、為替や外国金利の影響を受けることです。
預金の運用を始める時に預けた日本円を外貨に交換する必要があり、交換に使われるのはその時の為替レートです。そのために、その後為替レートが変動して円安になった場合、為替預金に預けている外貨の価値が上がるので為替差益が発生します。
逆に円高になった場合、為替預金に預けている外貨の価値は下がるため為替差損が発生します。この場合、外貨を預けていることにより得られる利子の金額によっては、元本割れが発生する可能性もあるので注意が必要です。
外貨預金を日本円に戻して引き出す場合には、交換のための手数料が発生するので、受け取った利子よりも手数料の方が高い場合などに、元本割れが発生します。そのために外国の金利にも大きな影響を受けます。
外貨定期預金のメリットを生かして上手な資産運用を
外貨定期預金とは貯金時に預け入れる期間を予め決めた外貨預金のことです。期間は1年間や3年間など様々です。
外貨定期預金にお金を預けた場合、預け入れをした時の為替相場で外貨が預金され、設定した預け入れ期間が終了した時に日本円で払い戻しを受けられます。
外貨定期預金であれば「外貨預金」「定期預金」の2つのメリットを得られることができます。
まず外貨預金のメリットとして挙げられるのは円安時の為替差益の発生です。外貨預金の詳しいメリット・デメリットは次章で説明しますが、日本円預金よりも利益が大きくなる可能性があります。
また、定期預金は普通預金とは違い、預ける期間が決まっているため金利が高く設定されています。
このように外貨預金と定期預金のメリットを合わせることで、資産運用としてより大きな利益獲得に期待ができます。
外貨定期預金が満期になったときの運用パターン
外貨定期預金が満期になった際には2つの運用パターンがあります。
1つ目は外貨で預けていた定期預金を、満期の時にそのまま日本円に交換するパターンです。その場合は、預けていた外貨と利息の合計額から交換手数料や為替損益を加減した金額が、外貨預金運用で得られる収入です。
外貨預金のメリットは円安時の為替差益の発生など様々です。
また、定期預金は普通預金よりも金利が高いため、より利益獲得に期待できます。
- 円の方が使いやすい
- 円だと預金保険制度の対象*1となる
*1 預金保険制度とは万が一、金融機関が破綻した場合でも一定額の預金等を保護する保険制度です。
円に交換した資金は、日本円の定期預金などに預け直すこともできます。
2つ目のパターンは、外貨定期預金が満期をむかえた時に、外貨のままさらに運用を続けることです。
メリットとしては交換手数料を支払う必要がないことが大きいでしょう。
- 交換手数料を支払う必要がない
- 外貨の普通預金に預けることもできる
- 外貨をそのまま現金に交換して使用することも可能
外貨預金のメリット・デメリットは?

メリット
外貨定期預金の最も大きいメリットは円安になった際に発生する為替差益で利益が大きくなることです。
他にも多くのメリットがあります。
- 円安になると為替差益が発生する
- 円だけで資産を保有するリスクを低減できる
- 円より金利の高い通貨もある
- 外貨のまま両替をせずに使用することも可能
- 投資の初心者でも比較的始めやすい資産運用の方法
外貨預金は日本円での預金と比較して利益獲得が期待できます。
現在の日本は金利が非常に低いので、金利の高い国の通貨で外貨預金をすれば、日本円で預金するよりも大幅に高い利子を獲得できることもあります。外貨を現金として普段からよく使用している人にもメリットが多い方法です。
デメリット
外貨預金は為替差損により元本割れが発生してしまうことがあるのが、特に大きなデメリットです。
他にも様々な注意点があります。
- 円高になると元本割れが生じることもある
- 外国で発生した事件や災害の影響を受けることがある
- 日本円で預金の引き出しをする時などに、為替手数料の支払いが必要になる
- 預金保険制度の対象外になっているため、大きな被害が発生する可能性もある
- 低い金利が設定されている場合がある
- 確定申告の手続きも必要になる
外貨を交換する時に為替手数料の支払わなければいけないことも、日本円の預金にはないデメリットです。預金保険制度の対象になっていないこともデメリットの一つで、預金を確実に保護したい場合には、日本円で預金した方が最適です。
まずはここから理解しよう!円安・円高

円安・円高とはなにか?
円安とは、外国通貨の価値が日本円よりも高くなることです。
例えば、1ドル120円の為替レートが円安により1ドル130円に変化した場合、円を1ドルと交換するためには、日本円を10円余計に支払わなければならなくなります。
円高とはその反対に、日本円の価値が外国の通貨よりも高くなることです。1ドル120円の為替レートが円高により1ドル110円に変化した場合、1ドルと交換するために支払う日本円は110円に減るため、より多くのドルと交換できます。
外貨預金における円安・円高の影響
円安や円高は外貨預金にも大きな影響を与えます。
外貨預金を預ける時には預け入れをした時の為替レートで外貨に交換され、引き出しをする時にはその時の為替レートで交換されるからです。したがって、預け入れをした時と比較して引き出し時の為替レートが円安になっている場合には、より多くの日本円と交換できます。
円高になってもプラスになることも?
預け入れをした時と比較して引き出しをする時の為替レートが低いと、元本割れが発生することが多いです。
ですが場合によっては、両替後の日本円が預け入れた時よりもプラスになることもあります。外貨預金で獲得した金利の収入が、円高による損失や交換手数料を上回る場合に、プラスの利益が発生します。
円高でも出る利益=外貨預金の金利-(為替差損+交換手数料)
以下の条件の時の具体例をみていきましょう。
- 金利4.5%
- 元本1万円
- 為替差損80円
- 交換手数料350円の場合
さきほどの計算式に当てはめると
20円=450円-(80円+350円)
となり、円高による為替差損益が出た場合でも金利収入が高い場合は利益がでる計算となります。※ただし、実際にはもっと大きな額を預金するため、金利・為替差損の部分は大きくなります。
外貨預金の特徴を知って上手に資産運用しよう
外貨預金をこれから始めたいと考えている人は、この記事で紹介したような外貨預金の基本的な特徴を把握しておいた方が最適です。
外貨預金をおこなう際に特に注意しなければいけないのは為替変動のリスクがあることです。為替レートが変動することで為替差益や為替差損が発生します。
為替差損の額が獲得した金利の額より多いと損失が発生してしまうので、交換する外貨や預け入れる期間を、事前にしっかりと検討する必要があります。