投資キャッシュフローとは?マイナスになる意味と対策

投資キャッシュフローとは?マイナスになる意味と対策

投資キャッシュフローは、優良企業でもマイナスに傾くことが多い項目です。

しかし、マイナスになる意味や原因が分からなければ、対策を検討することも難しいでしょう。

そこで今回は、投資キャッシュフローとは何か、投資キャッシュフローがマイナスになる意味や具体的な原因とその結果もたらされる影響や対策について解説いたします。

投資キャッシュフローとは

投資キャッシュフローとは

キャッシュフローというのは企業における資金の流れを指しており、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローの3種類があります。

キャッシュフローの種類
  • 営業キャッシュフロー
  • 投資キャッシュフロー
  • 財務キャッシュフロー

いずれも収入が支出より多ければプラスに、支出が収入より多ければマイナスになり、これらを確認することで資金の流れや倒産リスクなどについて分析することが可能です。

中でも、投資キャッシュフローはその名の通り、投資活動による資金移動を指しています。設備投資や有価証券の取得及び売却、不動産や什器備品等の有形固定資産の取得や売却などによる資金の変化などがこれに含まれます。

例えば、新店舗立ち上げのために不動産を購入したり、事業に必要な備品や機械装置、車両等を追加したりすれば、当然投資キャッシュフローの値はマイナスです。

しかし、これらの支出はいずれも事業の拡大や売上の増加を目的とする先行投資になりますので、必ずしもマイナスになることが企業にとって不利益とは限りません

実際、優良企業では投資キャッシュフローがマイナスになっていることが一般的です。

投資キャッシュフローがマイナスになる意味と原因

投資キャッシュフローがマイナスになる意味と原因

投資キャッシュフローがマイナスになることが多いとはいえ、それがどういう意味を持つのか、原因は何かを理解していなければ経営状況の判断ができません。

この記事では投資キャッシュフローがマイナスになる意味と原因について解説していきます。

投資キャッシュフローがマイナスになる意味


投資キャッシュフローがマイナスになっているということは、事業の成長や拡大のために投資をしている状態を意味します。

従って、企業の成長が著しいときや積極的に事業の拡大を目指しているときはマイナスが大きくなりがちです。ただし、投資に見合った増益にならない場合には、企業全体のキャッシュフローが悪化しかねません。

営業キャッシュフローの動きとあわせて、適切な投資をしているかどうかが重要です。

投資キャッシュフローがマイナスになる原因


投資キャッシュフローがマイナスになるのは、投資目的の支出が大きいことが原因です。

特に、将来的な成長のために大きな投資を行う場合などは、一時的にマイナスが大幅に増加する傾向が見られます。

固定資産や有価証券を購入するための支出や定期預金への預け入れ、貸付などの支出がこれに該当します。
一方で、固定資産の減価償却費は投資キャッシュフローに影響を与えません。

というのも、減価償却は購入した固定資産の価値が下がっていることを示しているもので、実際に資金が企業に入るわけではないためです。

なお、減価償却費は直接法では取り扱いがなく、間接法では営業キャッシュフローのプラス項目として取り扱われます。

マイナスの投資キャッシュフローがもたらす影響と対策

マイナスの投資キャッシュフローがもたらす影響と対策

投資キャッシュフローがマイナスになっている場合、企業においてどのような影響がもたらされるのでしょうか。

また、どのような対策を講じればよいのでしょうか。

以下に、マイナスの投資キャッシュフローがもたらす影響と対策について解説いたします。

マイナスの投資キャッシュフローがもたらす影響

一般的に、投資キャッシュフローがプラスになっているということは、不動産や設備などの固定資産を売却して資金化している状態、つまり資金繰りが苦しい状態であると判断されます。

しかし、大幅なマイナスが何年たっても改善されない場合には注意が必要です。


この場合、過剰な投資をしている可能性が高く、借入額が大きすぎて返済が困難な状況と考えられます。

そのため、投資に見合うだけの収益がない場合はキャッシュフローが悪化し、企業価値の低下や経営不振につながる可能性があります。

また、株主からの信頼が低下することで、資金繰りが悪化することもあるでしょう。

マイナスの投資キャッシュフローの対策

投資キャッシュフローのマイナスが著しい場合には、何らかの対策を取る必要があります。まず、キャッシュフローを分析して投資方針を見直しましょう。

不要な固定資産を処分する、資金繰りの計画を立てるなどの手段が有効です。

また、借り換えや返済スケジュールの見直しなど、財務改善策の実施も行いましょう。さらに、在庫の調整や未回収の売掛金を減らすなど、キャッシュフローの改善策も検討する必要があります。


最終的に、営業キャッシュフローのプラスが投資キャッシュフローのマイナスを上回れば、安定した経営と言えます

まとめ

投資キャッシュフローでは将来的な成長を見越して投資を行うことで、マイナスになるケースが多々あります。

将来的に十分採算が期待でき、投資をしたことで企業価値の向上や事業拡大につながる見込みがあるのならば、悪い意味として受け取る必要はありません。

その他の資金移動も含めて、投資キャッシュフローは正確な分析を行うようにしましょう。

節税ハック編集部

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