経営力向上計画の認定を受ける際に知っておきたいメリットとは?

経営力向上計画の認定を受ける際に知っておきたいメリットとは?

会社の経営を軌道に乗せるために利用できる制度の一つに、経営力向上計画というものがあります。

この制度をうまく利用すれば、効率的に経営力をアップさせられるようになるのですが、実際にはそれがどういったものであるのか知らないという方は少なくないかもしれません。

そこで本記事では、経営力向上計画の内容やメリットについて紹介していくことにします。

本記事では、以下の3つのことが分かります。

  • 経営力向上計画とは
  • 経営力向上計画の認定で受けられるメリット
  • 経営力向上計画を申請する際の注意点

経営力向上計画とは

経営力向上計画とは

はじめに、経営力向上計画とはどういったものであるのかという点について、見ておきます。

経営力向上計画の概要

まず、経営力向上計画というのは、企業の生産性の向上や人材の育成といった特定のテーマに関して、所定の書式を用いて作成される事業計画のことです。

この計画を策定した上で、所管の省庁に申請して認定してもらうことによって、後述する税制優遇や金融支援、法的支援といった様々なメリットが得られるというのが、経営力向上計画という制度の概要です。

経営力向上計画の認定を受ける条件

経営力向上計画は、申請すれば誰でも認定してもらえるというものではありません。

申請できるのは、

  • 資本金が10億円以下で従業員数が2,000名以下の会社や個人事業主、医療法人等
  • 従業員数が2,000名以下の社会福祉法人や特定非営利活動法人

などに限定されているのです。そのため、大企業が申請しても認定してもらうことはできません。

また、個人事業主である場合は開業届、法人である場合は設立登記を行っている必要があります。それ以外にも、利用する優遇措置ごとに細かな認定条件が設けられているのですが、詳しくは中小企業庁が公開している手引きに記載されていますので、気になる方はそちらもぜひチェックしてみるとよいでしょう。

経営力向上計画の認定で受けられるメリット

経営力向上計画の認定で受けられるメリット

続いて、経営力向上計画の認定を受けることによって得られるメリットを見ていきます。得られるメリットの大きさと申請に要する不可とを比較して経営力向上計画を策定するかどうかを判断するとよいでしょう。

税制措置(即時償却)で節税できる

一つ目のメリットは、税制措置によって節税することができるという点です。

具体的には、経営力向上計画の認定を受けることで、法人税や所得税の計算にあたって、取得設備の全額を税額控除したり、10パーセントまたは7パーセントを控除できるようになったりするのです。

金融措置を受けられる

二つ目のメリットは、金融措置を受けられるようになるという点です。

日本政策金融公庫による低利融資や日本政策金融公庫によるスタンドバイ・クレジットのほか、中小企業基盤整備機構や食品等流通合理化促進機構による債務保証なども受けられるようになるので、中小企業の経営者が頭を悩ませがちな資金繰りのための資金調達がより簡単に行えるようになるというわけです。

法的支援を受けられる

三つ目のメリットは、事業承継を行う場合になどに法的な特例措置の適用を受けられるという点です。

これには、業法上の許認可の承継の特例や組合の発起人数に関する特例、事業譲渡の際の免責的債務引受に関する特例措置などが含まれます。

本来であれば非常に手間のかかる事業承継の手続きがスムーズに行えるようになるため、この点だけ見ても経営力向上計画の認定を受ける意義は大きいと言えるでしょう。

経営力向上計画を申請する際の注意点

経営力向上計画を申請する際の注意点

ここからは経営力向上計画を申請するにあたって注意しておくべきポイントを紹介します。

経営力向上計画の申請するタイミングに注意

設備取得に関して経営力向上計画を申請しようとしている場合には、実際の取得よりも前に申請しなければなりません。

後から申請しても認定してもらうことはできないため、申請すると決めたらできる限り早く準備を整えるようにした方がよいでしょう。

申請から認定までにかかる期間が長いことに注意

経営力向上計画は役所に申請して認定してもらう必要があるのですが、申請から認定までに1ヶ月近くを要するケースが少なくありません。

ぎりぎりのタイミングで申請しても間に合いませんので、この点でも早めに申請準備をしておいた方がよいということが分かるでしょう。

受けたい措置によって必要になる事前準備に注意

経営力向上計画の認定を受けるには、所定の経営力向上計画認定申請書や経営力向上計画チェックシートなどを提出しなければなりませんが、それ以外にも受ける措置ごとに必要書類などが事細かに定められています。

書類が一つ足りないだけで、認定が大幅に遅れてしまう可能性もありますので、申請準備にあたっては何が必要かを十分に確認しておく必要があります。

なかなか自分だけでは調べきれないという場合には、経営コンサルタントなどの専門家に相談してみるのがよいかもしれません。

経営力向上計画をうまく活用しよう

以上で見てきたように、経営力向上計画を利用することで、スムーズな経営力向上に向けた様々なサポートが受けられるようになります。

資金繰りや事業承継などに困っている場合には、非常に助けになる制度ですので、これまであまり検討してこなかったという方は、ぜひこの機に認定を受けるべくチャレンジしてみるとよいでしょう。

節税ハック編集部

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