ロシアの侵攻による株価への影響は?投資家が今やるべきことを解説

ロシアの侵攻による株価への影響は?投資家が今やるべきことを解説

ロシアのウクライナ侵攻により、戦禍は世界経済にまで及んでいます。主要国で株価は大幅安を記録し、今後の動向も読みづらい状況です。

しかし、国際社会はロシアの経済制裁を強め、侵攻や株価下落傾向も終息に向かっていくでしょう。

この記事では、株価に影響を与えている原因と、それがいつまで続くのか、投資家が何をすれば良いのかを解説しています。

この記事ではこんなことがわかります。

  • ロシアのウクライナ侵攻による株価への影響
  • 投資家が今するべきこと
  • 今後の世界経済の動き

ロシアのウクライナ侵攻で株価の下落は長期化する

ロシアのウクライナ侵攻で株価の下落は長期化する

ロシアがウクライナ侵攻を始め、国際社会は経済制裁を強めています。これにより、主要国を始めとするさまざまな国が、ロシアとの輸出入を停止しています。

しかし、経済制裁はロシアに圧力をかけるだけではなく、国際社会にも影響を与えています。主な影響は以下の3つです。

主要国の株価下落

2022年初めから下落傾向だった主要国の株価は、ロシアのウクライナ侵攻が報じられ、大幅安を記録しました。

また、国際金融取引を仲介する「SWIFT」からロシアを締め出したことにより、ロシア国内の企業との取引先が行えない状態です。

コロナ禍で消耗した企業も多く、今後の見通しが立たないことから、株価の低迷が続いています。

株価の下落は長期化する

いまだに停戦の目処が立たたず、侵攻が終息したとしても株価の下落は長期化する可能性が高いでしょう。

理由の1つは、ロシアとウクライナが小麦の主要な産出国だからです。ロシアからの輸入停止が解除されても、攻撃を受けたウクライナでは収穫量が減り、元の水準に戻るまで時間が必要になります。

見通しが立たないことと、穀倉地帯であるウクライナの被害が株価の下落が長期化する原因です。

世界に広がる原油価格の高騰

ロシアは原油や石炭、天然ガスの産出国です。特に欧州各国はエネルギー資源の供給をロシアに頼っていました。

経済制裁によりロシアからの輸入を停止しているので、エネルギー資源を他の国から輸入しています。

元からの原油価格高騰に、供給が追いつかなくなったことで、さらなる価格高騰につながったのです。

投資家は状況を見て、キープか買うか見極めよう

投資家は状況を見て、キープか買うか見極めよう

ウクライナ侵攻が株価に影響を与えていますが、長期的に見れば上昇に転じる時は訪れます。

なぜなら、世界的な株価の暴落は何度もありましたが、それを乗り越えてきているからです。

株価の上昇に備えて、下落傾向中に投資家がするべきことは以下の2つです。

ロシアへの依存度は高い企業の株は要注意

今、株を売れば値が下がった分、損をします。長期的に見れば株価は回復するので、そのタイミングまでキープしておきましょう。ただし、ロシアへの依存度が高い企業の株は売却の検討が必要です。

ロシアへの依存度が高かった企業は、ロシアの一方的なクリミア半島の併合に加え、ウクライナへの侵攻により、多大な経済的被害を受けています。

株価が回復傾向に転じるまで、企業の体力が続かない可能性があるのです。基本的には、所有する株はキープしますが、ロシアへの依存度が高い企業がないかをチェックしましょう。

値が下がり切った株を狙う

企業の中には、原価価格高騰や小麦の不足、ロシアへの依存などの影響が少ないにもかかわらず株価が下がっている場合があります。

「連れ安」や「追随安」と呼ばれる、全体的な株価下落の傾向に引きずられて株価が下がる現象です。企業の業績や利益成長率に大きな変化がないのに、株価が下がっている企業は「連れ安」の影響による可能性があるでしょう。

このような企業は株価が回復傾向に入ると、元の株価に戻るまでのスピードも早いのです。値が下がっているうちに買っておけば、利益につながるでしょう。

ただし、どの企業でも株価が上がるわけではないので、主幹事業や成長率、創業年数などから複合的に判断しましょう。

世界経済は脱ロシアの方向に進んでいる

世界経済は脱ロシアの方向に進んでいる

世界経済に影響が及んだロシアのウクライナ侵攻は、終息後もすぐには解消されないでしょう。

しかし、これを機にロシアに依存する経済の危うさも認知されました。世界はロシアへの依存脱却の方向に向かっています。株価上昇の動向と合わせて以下で解説していきます。

欧州を中心にロシアへの依存度は下がる

資源エネルギーをロシアからの供給に頼っていた欧州は、新たな仕入れ先を見つけ、クリーンエネルギー開発のさらなる推進を図ると考えられます。

欧州は元々、二酸化炭素を出さないクリーンエネルギーに関心が高いです。ロシアからの資源エネルギー供給が途絶えたことを機に、今後は依存せず、クリーンエネルギーで自国のエネルギー問題と環境問題の解決につなげるでしょう。

ロシアが産出国のレアメタル、パラジウムは車の排気ガスを浄化するために用いられます。電気自動車の開発が進むと、ロシアへの依存度も下がります。

業種によって株価の回復速度に差が出る

株価は回復しますが、業種によって回復するまでにかかる時間には差が出ます。「連れ安」の影響を受けた企業は株価の回復が早いです。

また、クリーンエネルギーやエコに関する技術開発に携わる業種も、今後の期待から株価の回復は早いでしょう。

一方、原油価格や物価の上昇から、製造業や運搬業、飲食や食品に関する企業は、株価の回復にも時間がかかると考えられます。

投資家は状況をよく見て、利益を掴もう

ロシアのウクライナ侵攻で世界経済はダメージを受けましたが、今の時期に投資家が行動した方が良いことがあります。

それは、ロシアへの依存度が高い企業の株は売却して残りはキープし、回復が見込める企業の株は値が下がり切ったタイミングで買うことです。

どちらもリスクはありますが、大きな利益につながる可能性もあります。解説した内容が、判断の際の参考になれば幸いです。

節税ハック編集部

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