独身で住宅購入はアリ?メリット・デメリットを徹底解説!

単身者の住宅購入時のポイント

昨今、生涯独身の人は増加傾向にあります。国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集2020年度版」によると、50歳時の未婚割合が2010年から2015年で男性3.23%、女性では3.45%上昇しており、結婚しない人は今後も増加していく可能性が高いといわれています。

つまり、一生独身で過ごす人の割合も増加していくと考えられるでしょう。

このように老後も独身で生活していくことを考え、独身でも住宅を購入しようと考える人も増えてきたようです。そこで今回は、単身者が住宅購入を考えた際におさえておきたいポイントを、住宅購入のメリット・デメリットをふまえてご紹介していきます。

この記事でわかること

  • 単身者にとっての住宅購入のメリット・デメリット
  • 住宅購入時の注意点
  • 住宅購入後、家族構成が変わった場合の対処法

単身者にとっての住宅購入のメリット

単身者にとっての住宅購入のメリット

これまで、住宅購入は結婚した時や子どもができた時など「家族が増えたタイミングで購入する」というイメージが強かったかと思います。しかし、近年では生涯未婚率が増加傾向にあることも影響し、単身者でも住宅購入を考える方も増えています。

では、単身者が住宅購入をすることでどのようなメリットがあるのでしょうか。

自分の資産になる

購入した住宅は、自分の資産になります。

たとえば、空き部屋を賃貸に出すことで賃貸収入を得られます。また、現金が必要になったときに売却することも可能です。結婚や子どもができたことを機に、賃貸に出す・売却することもできます。

つまり、住宅を購入することで自分が住むという活用方法以外に、資産として運用することもできるのです。

好みの内装にできる

賃貸とは違い、設備や間取りなど自由に決めることが可能です。別途費用はかかりますが、増築やリフォームも自由なので、その時の希望に応じて内装を変えることもできます。自分の暮らしや好みに合わせた家づくりができるのも持ち家のメリットといえるでしょう。

老後に住む家を確保できる

30~40代で住宅を購入し、現役時代に住宅ローンを完済してしまえば、老後の住居費の負担が大きく減少します。老後、年金だけの収入で生活していくことを考えると、家賃分の負担が少なくなることは大きなメリットといえます。

また、高齢になると賃貸物件に入居できない可能性もあるので、住居を確保しておけることは老後の生活の安心につながるのではないでしょうか。

生命保険の代わりになる

住宅購入の際、住宅ローンを利用するとほとんどの場合、団体信用保険に加入することになります。団体信用保険に加入することで、ローン返済中に万が一死亡してしまった場合ローン残債が0円となります。

つまり、住宅購入後に結婚等をしても、残された家族にローン返済の負担は発生しません。

また残った住宅は売却すればまとまったお金を手に入れることができます。その分、今まで加入していた保険を見直して保険料を安くすることも可能です。

単身者にとっての住宅購入のデメリット

単身者にとっての住宅購入のデメリット

単身者が住宅を購入するメリットは前述したとおりです。では、住宅購入でどのようなデメリットがあるのでしょうか。

住み替えが難しい

単身者向けの住宅は、売却が難しいという現状があります。単身者の住宅購入が増えてきているとはいえ、まだまだ需要が多いとはいえません。住宅購入を検討する場合は、売却や賃貸に出すことも視野に入れ、資産価値のある物件を探すと良いでしょう。

家族構成が変わり、購入した住宅と合わなくなる可能性がある

購入した時と家族構成が変わり、部屋が手狭になる場合があります。住宅購入時に結婚等で家族構成が変わることを想定して住宅を購入するか、住み替えを前提に売却や賃貸に出すことを視野に入れ、立地などを考慮して駅近物件などの購入を検討してみてはいかがでしょうか。

税金や維持費の発生

賃貸との大きな違いは、税金や維持費等のお金の違いでしょう。住宅を購入すると不動産取得税がかかります。また毎年、固定資産税の支払いが発生します。この税金は住宅ローンとは別に発生するものなので、注意が必要です。

さらに住宅購入でマンションを選んだ場合、修繕積立費や管理費を毎月支払います。こちらも住宅ローンとは別にかかる費用なので、住宅ローン以外の費用確認もしっかりしておきましょう。

賃貸と持ち家の違い

賃貸と持ち家の違い

では実際に、住宅を購入する場合と賃貸で住み続ける場合とでは、どのような違いがあるのでしょうか。

まずは賃貸と持ち家で発生するお金について、それぞれどのようなものがあるのかを考えてみましょう。

賃貸と持ち家で発生するお金

賃貸で発生するお金として一番先に思いつくものは家賃でしょう。さらに賃貸物件には住宅総合保険の加入が必須条件なことも多いため、契約時に指定された保険料も必要です。また、同じ家に住み続ける場合には、更新料や継続の保険料が発生することもあります。

しかし設備に故障等があった場合、初期設備に関しては大家さんの所有物となるため、修繕費用については原則、大家さんが負担します。

賃貸物件は広さや立地、設備によって値段も幅広いため、自分の収入に応じて選ぶことが可能です。収入に増減があった場合でも、賃貸であれば引っ越しをすることも比較的容易にできるでしょう。

一方、住宅購入をした場合に発生するお金は、まず住宅ローンの返済です。賃貸と同様に住宅を購入する際も広さや立地等で値段は変わるので、自分の収入に応じた物件を探すと良いでしょう。

しかし、住宅を購入すると住宅ローンの返済もあるため、簡単に引っ越すことはできなくなります。購入した当初より収入が減ると返済が難しくなってしまう場合もあるので、購入する際はその点も注意しておくと良いでしょう。

また、住宅を購入するとさまざまな税金が発生します。購入した時に課税される不動産取得税、建物や土地の名義を法務局に登記申請する際に必要な登録免許税、住宅購入後に毎年支払う固定資産税・都市計画税などがあります。

ただし、こちらは減税制度や給付金も用意されているので、購入の際はそちらもあわせて確認しておくと良いでしょう。

その他にも印紙税等、購入費用とは別にかかる費用も大きいので、しっかりと確認が必要です。

さらに賃貸とは違い、設備故障やメンテナンス費は全額自己負担となります。一生住み続けるとなると必ず数回は修繕やメンテナンスも必要となってくるので、購入した後もメンテナンス費等につかうお金を貯めておきましょう。

老後に住む場合

賃貸の場合、当然ながら家賃を払い続けなければいけません。現役時代から収入が減っていたとしてもそれは変わりません。もちろん、収入に見合った物件に引っ越すことは可能です。しかし、高齢者になると借りられる物件が限られてしまうこともあります。

高齢になると収入が減り家賃を踏み倒されるリスクがあり、また認知症等で近所の住人に迷惑をかけてしまうような事態が懸念されるため、家主は高齢者が住むことを避ける傾向があるのです。

さらに、高齢者向けの賃貸が少ないという現実もあります。家賃が安くても段差が多かったり、エレベーターがなかったりと暮らしにくさを感じるかもしれません。高齢者向けの賃貸住宅も徐々に増えてはいますが、まだまだ数も少なくその分家賃が高くなる可能性もあります。

一方、購入住宅では固定資産税等の支払いは続きますが、高齢になって住みにくさを感じたら自由にリフォームすることが可能です。

また、住宅ローンの返済も完済していれば、賃貸のように毎月住宅費がかかることもありません。逆にローンを完済していなければ、高齢者になり収入が減ってもローンの返済が毎月続くというリスクもあります。

住宅を購入する際は、老後の収入が減少するまでに完済できるような返済計画を立てると良いでしょう。

購入するときの注意点

購入するときの注意点

単身者が住宅を購入するメリットやデメリットは前述したとおりです。では、実際に住宅を購入する時はどのような点に気を付ければ良いのでしょうか。

マンション?一軒家?

マンションは、共有部分の管理や清掃を管理会社が行うため、一軒家と比較すると管理に手間がかかりません。これはメリットでもありデメリットでもありますが、毎月管理費や修繕積立金を支払わなければいけないので、修繕費を別途貯めておく必要もなく、修繕も管理組合によって決められます。

自分で貯金をしておくのが苦手、修繕等をどうしたら良いかわからない・お任せしたいという方はマンション購入の方が向いているでしょう。

ただし、マンションには管理規約があるため、専有部分以外はリフォームができなかったり、住宅ローンを完済した後でも修繕積立金等の支払いは続くので注意が必要です。

一方、一軒家ではマンションのような規約はないので(景観条例や町会の決まり等がある場合もあります)、建物や敷地内であれば比較的自由にリフォームをすることが可能です。

また、メンテナンス費を自分で貯めておくことは必要ですが、マンションのように毎月決められた額を支払うことはありません。

自分好みの家に自由に住みたいという方は、一軒家の購入の方が向いているでしょう。

転勤がある職種だけど購入を考えたい

将来、転勤の可能性がある職種についている場合、住宅を購入したいと思っていてもためらうかもしれません。その場合、現在の仕事を退職後に購入するという方法があります。

退職後に住宅ローンが組めるのか心配な方もいるかもしれませんが、現役時代は賃貸に住みつつ購入資金を貯め、住宅ローンを利用せずキャッシュで購入するという選択肢もあります。

また固定資産税等の支払いは発生しますが、転勤の間だけ購入した住宅を賃貸に出し、その間は家賃収入を得て、将来的には自分が住むことも可能です。

実家に住む予定や家族構成が変わる可能性のある場合

生涯独身であっても、将来的に実家に住む予定や自分の親と住む可能性がある方もいるかと思います。その場合、実家に住むのか実家を売却して新しく家を購入するのか、さまざまな選択肢があるでしょう。

高齢の両親と一緒に住む家の購入を検討している場合には、病院やスーパーなどが近くにあり立地の良い物件を選ぶと、両親も暮らしやすく、自分が高齢になったときにも安心できるでしょう。また、立地が良いと万が一購入した物件を売却する際も、買い手の心配が少ないという利点があります。

住宅購入後に家族構成が変わったら

住宅購入後に家族構成が変わったら

いざ、住宅を購入してもその後に家族構成が変わることもあります。結婚はもちろん、自分の両親や兄弟と住むことになる可能性もあります。

では、住宅購入後に同居家族が増えた場合はどのようにしたら良いのでしょうか。

住宅購入時に家族構成が変わっても問題ない家を購入する

住宅を購入する際、将来、家族構成が変わっても問題ない家を購入するのも一つの方法です。購入した住宅はある程度、リフォームで住みやすい家にすることは可能ですが、広さを大きくしたり、間取りを変更することは難しいうえに費用もかかります。

特に家族が増える予定のある方は、広さや間取りに気を付けて購入すると良いでしょう。家族が増えても住み替え等の必要がなくなります。

購入した住宅は賃貸に出す

購入した住宅を賃貸に出すのも良いでしょう。賃貸に出すことで、家賃収入を得ることもできます。交通の利便性や生活の利便性を考慮した物件であれば、借主に困ることも少ないでしょう。そのような可能性も視野に入れ、物件の選択をしてみてはいかがでしょうか。

購入した住宅を売却して住み替えをする

購入した際は生涯独身のつもりでも、結婚や子どもが増えることで大きく家族構成が変わることもあります。単身者用の住宅に家族3人以上で住むことはなかなか難しいですよね。

このように大きく家族構成が変わる場合は、購入した住宅を売却して、新しく住宅を購入し住み替える方法があります。この場合、賃貸に出す際と同様に交通や生活の利便性を考慮しておくと売却の心配も少なくなるでしょう。

まとめ

単身者の方の住宅購入について解説しました。生涯独身の方が増える中、単身者の住宅購入の需要も高まっています。住宅購入のメリット・デメリットを理解し、自分のライフプランにはどのような選択が良いのか、判断しましょう。

また購入する際は、現在の状況だけではなく、収入面・家族構成面など長期的な可能性を考えた立地や価格の検討をおすすめします。

出典:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集2020年度版」

http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/Popular2020.asp?chap=6

庄司里紗

庄司里紗

大学卒業後、広告代理店に営業事務として就職。妊娠を機に退職。専業主婦となり、家計管理を任される。
しかし、子供2人分の教育費、住宅費、老後資金とお金の不安は増えるばかり。
そこでお金について勉強するため2級FP技能士を取得。現在は、子育てをしながらFPとして活動中。

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