長引く景気の低迷によりビジネスの先行きにも不透明感が漂うなかで、サラリーマン生活に見切りをつけ、フランチャイズで独立したい、と考えている人も少なくないのではないでしょうか。
とはいえ、そもそもフランチャイズの意味が今一つ理解できていないというケースもあるでしょう。
この記事では、フランチャイズとはどういうものか、全くの初心者にもわかりやすくようにまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
- フランチャイズの概要とメリット・デメリット
- おすすめのフランチャイズ3選
- フランチャイズを始める際の注意点
目次
フランチャイズとは

フランチャイズとは、経営者となって事業を展開したい個人や法人(フランチャイジー)が、フランチャイズの本部(フランチャイザー)から事業運営に関する各種のノウハウなどを提供してもらい、その対価をフランチャイズの本部に支払うという関係の中で、店舗を拡大していくビジネスモデルのことをいいます。
フランチャイズのメリット
- すぐに事業開始することができる
- ノウハウを提供してもらえる
- ブランド名の恩恵を得られる
フランチャイズに加盟すれば、たとえ事業経験がなくても本部の指導を受けながらすぐに事業運営を開始することが可能になります。
なぜなら、税務や会計、法律などの経営指南を受けながら、仕入れや販売、集客、人材育成などの側面支援も含め、パッケージでわかりやすくノウハウが提供されるからです。
この間、フランチャイジーは、一般的に知られているブランド名のもとで独立した事業者として本業に専念でき、広告・宣伝なども、本部が展開する販売促進活動の恩恵を受けられるといったメリットがあります。
フランチャイズのデメリット
- ロイヤリティの義務がある
- 自由度が低い
一方で、フランチャイズに加盟すれば、本部に対して対価(ロイヤリティ)を支払う義務が毎月生じてきます。ロイヤリティは基本的に赤字月でも支払わなくてはならず、利益が上がらない時期には大きな負担となるでしょう。
さらに、売り上げアップに向けたよいアイデアが思いついたとしても、本部の基本方針に沿わない場合は採用することができません。また、営業時間や休日をかってに変更することもできなくなる、といった制約を受けることがある点にも注意が必要です。
直営店とはなにが違う?
フランチャイズと直営店の明確な違いは、経営者にあります。誰が経営するかで変わってくるのです。
フランチャイズはオーナーが経営を行いますが、直営店はフランチャイズ本部が直接店舗運営をします。直営店はレギュラーチェーンとも呼ばれています。
店舗に関することだけでなく、従業員や売上、経費などもすべてフランチャイズ本部が管理していきます。
初心者におすすめのフランチャイズ3選

フランチャイズへの加盟を初めて検討するといった初心者にも取り組みやすい、おすすめの業種が次の3種類です。
コンビニエンスストア
コンビニは各地にあり、店舗内にはオーナー募集の広告もよく掲示されているので目にする機会も多いのではないでしょうか。
知名度が抜群の大手チェーンが展開し、運営マニュアルやサポート体制も充実していることから、数あるフランチャイズビジネスの中でも加盟に向けた敷居が低く、未経験者でも非常に参入しやすい業種です。
移動販売(キッチンカー)
フランチャイズに加盟して飲食店を出す場合にネックとなるのは、店舗の改装などにかかる高額な開店資金です。開店後にかかる月々の家賃も大きな負担になってくるでしょう。
これらのデメリットをクリアしているのが移動販売(キッチンカー)です。キッチンカーは開店資金が抑えられるだけでなく、月々の家賃や光熱費などもかかりません。売り上げを左右する出店場所の確保や、メニューの開発もフランチャイズ本部が代行してくれます。
衛生面や作業環境に対するアドバイスも適宜得られ、フランチャイズ先によっては車をリースで貸し出しているところもあるので、飲食業界の経験や手持ち資金があまりないという人でも参入しやすい業種といえます。
コインランドリー
初期投資資金に余裕がある場合は、コインランドリーがおすすめです。
共働き世帯の増加に伴って、夜遅くでも気兼ねなく洗濯したいというニーズが増えたことや、花粉症などのアレルギー症状に悩む人の間で、布団やカーテンといった大型の布製品を洗濯したいといったニーズが増えたことで、コインランドリーへの需要はますます高まっています。
コインランドリーは基本的に無人運営のため人手がかからず、開業にかかる資金さえ用意できれば、未経験でも非常に参入しやすい業種です。
コインランドリーの運営で最も大切なのは、売り上げに直結する開業前の店舗立地・物件選びとその商圏調査ですが、フランチャイズに加盟することで本部がこれを代行してくれます。
フランチャイズで失敗しないための注意点

せっかくフランチャイズに加盟したのに失敗してしまったという事態を避けるために、次のような点に注意しなくてはなりません。
慎重にフランチャイズ選びをする
フランチャイズを考える場合は、どうしても利益面を優先しがちですが、持続可能でなくては意味がありません。長く続けていくためには自分がその業態に本当にマッチしているのかを自問する必要があります。
接客が苦手なのに小売業を始めたり、教育に関心がないのに学習塾を始めたりといったミスマッチが起こらないよう、フランチャイズ選びは慎重に行うことが求められます。
事業計画を見直す
フランチャイズに加盟して開業する際に必要になるのが事業計画です。年間でどのくらいの利益が見込めるか、無理なく継続できる計画となっているかどうかなど、事前にしっかりと確認することが必要です。
事業計画を見直す際は、利益面だけでなく人件費や光熱費といった固定費や広告費、減価償却費などの支出面をしっかりと概算することが大切です。
収支の見通しが曖昧だと金融機関から融資を受けられないおそれもありますので、事業計画は何度も見直して万全にしておくことが必須です。
契約書をよく読み確認する
フランチャイズは契約書の締結によって実効力が生まれます。事前にしっかりと契約書の内容に目を通して、「こんなはずではなかった」などと後悔しないよう十分に内容を理解しておく必要があります。
契約書を見る際には、ロイヤリティは適切か、契約期間や契約更新などの内容は納得できたか、違約金や中途解約の条項についても理解できたか、などの点に特に注意する必要があります。
フランチャイズは初心者にもわかりやすく参入しやすい業種はある
フランチャイズとは、加盟者が本部から事業運営に関する各種のノウハウなどを提供してもらい、その対価をロイヤリティというかたちで支払うという仕組みのことです。
フランチャイズ初心者にとってわかりやすく参入しやすい業種にはコンビニやキッチンカー、コインランドリーなどがありますが、自分にとってどのような意味のある仕事かを事前によく考え、ミスマッチを起こさないようにする必要があります。