サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を建設したり改修したりする場合、税制優遇や補助金、融資を受けられる場合があります。
この記事では、サ高住建設や改修に関する税制優遇、補助金、融資の制度について解説します。
目次
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の税制優遇

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を建設する際、固定資産税と不動産取得税に関する税制が受けられる場合があります。
優遇措置の内容と条件は以下の通りです。
新築から5年間、税額から3分の2を参酌して2分の1以上6分の5以下の範囲において市町村が条例で定める割合を軽減する
家屋:課税標準から1戸あたり1,200万円を控除
土地:以下の大きい方の金額を税額から控除
- 45,000円(150万円×3%)
- 土地の評価/m2×1/2×家屋の床面積の2倍(200m2を限度)×3%
税制優遇の条件
- 床面積: 30㎡以上160㎡以下/戸(共用部分含む。一般新築特例は40㎡以上280㎡以下/戸)
- 戸数:10戸以上
- 補助: 国からサービス付き高齢者向け住宅に対する建設費補助を受けていること
- 構造: 主要構造部が耐火構造又は準耐火構造であること 等
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の補助金制度

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の新築や改修をする際、条件に応じて補助金を受けられる制度があります。
補助金の対象や条件、限度額を以下より解説します。
補助金の対象となるためには登録が必要
補助金の対象となるためには、「サービス付き高齢者向け住宅」として登録する必要があります。
- 床面積 原則25㎡以上
- 便所・洗面設備等の設置
- バリアフリーサービスを提供すること(少なくとも安否確認・生活相談サービスを提供)
- 高齢者の居住の安定が図られた契約であること
- 前払家賃等の返還ルール及び保全措置が講じられていること
- サービス付き高齢者向け住宅として10年以上登録するもの
- 入居者の家賃の額が、近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しないように定められるもの
- 入居者からの家賃等の徴収方法が、前払いによるものに限定されていないもの
- 事業に要する資金の調達が確実であるもの
- 市町村のまちづくり方針と整合していること
新築の場合|補助率と限度額
新築の場合、補助率と限度額は以下のようになります。
床面積:30㎡以上(かつ一定の設備完備)
補助率:10分の1
限度額:135万円/戸
※住棟の全住戸数の2割を上限に適用
床面積:25㎡以上
補助率: 10分の1
限度額:120万円/戸
床面積:25㎡未満
補助率: 10分の1
限度額:90万円 /戸
改修の場合|補助率と限度額
補助率: 3分の1
限度額: 180万円/戸
※調査設計計画費用を補助対象に追加
改修の場合、以下の工事が補助金の対象となります。
- 共用部分及びバリアフリー化に係る工事
- 用途変更に伴い建築基準法等の法令に適合させるために必要となる構造・設備の改良に係る工事(高齢者住まい法上必要となる住宅設備の設置等)
また、以下の工事を新たに行う必要があります。
- 階段室型の共同住宅を活用し、新たに共用廊下を設置
- 戸建住宅や事務所等を活用し、用途変更に伴い建築基準法等の法令適合のための工事
補助金の申請方法
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の新築および改修の補助金申請は、以下の手順で行います。
- (申請者)交付申請書の提出
- (整備事業事務局)補助事業の審査、交付決定通知の発出
- (申請者)事業着手、完了実績報告書の提出
- (整備事業事務局)完了実績報告の審査
- (整備事業事務局)補助金額の確定通知の発出、補助金の支払い
また、補助事業完了後10年間は、運営状況の定期的な報告や計画変更について報告し、必要に応じて審査を受ける場合があります。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の融資

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を建設する際、条件を満たすことで住宅融資機構の融資を受けることも可能です。
- 返済期間を通じてサ-ビス付き高齢者向け賃貸住宅を適切に経営し、確実なご返済が見込まれる方
- 個人のお申込みの場合で、お客さまの年齢が満65歳以上のときは、満65歳未満の後継者と連名によりお申込みいただける方
- 法人のお申込みの場合で、機構が必要と認めるときは、法人の代表者と連名によりお申込みいただける方
- 建設される土地について所有権又は借地権(地上権・賃借権)をお持ちの方
- 融資の返済に関し、十分な保証能力のある法人又は個人
- 個人(日本国籍の方又は永住許可等を受けている外国人の方)又は法人
まとめ
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を新築する際は、固定資産税と不動産取得税の税制優遇を受けられる場合があります。また、新築や改修にあたって条件を満たすことで補助金を受けることも可能です。
サ高住の建設や改修を検討している場合は、税制や補助金、融資についてこの記事を参考にしてみてください。
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