ずっと放置している空き地をどうにか活用したい…
余った土地がそのままになっていて税金だけ払い続けている…
所有しているだけで固定資産税や都市計画税といった税金がかかる土地。
活用したいと思う一方「もし失敗したら…」「リスクを考えると躊躇してしまう…」など、そのまま放置しているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
土地から収益を得られる仕組みをつくっておくことは、節税対策はもちろん、相続対策としても有効です。
今回は、土地の活用方法として一般的な不動産投資と、近年増加しているコインランドリー投資についてご紹介します。
それぞれのメリット・デメリットをお伝えしていますので、比較検討しながら土地活用の参考にしてみてください。
- 土地活用のメリット
- 土地活用2つの活用例
- 土地活用する場合の注意点
目次
土地を活用する3つのメリット

土地は空き地のまま所有するより、活用することでさまざまなメリットがあります。
まずは以下の3つのメリットを押さえて、なぜ土地を活用した方がいいのかという理由を明確にし、リスクだけにとらわれることの無いようにしておきましょう。
定期的な収入を得られる
土地活用の方法はアパート・マンション経営のほか、駐車場、トランクルーム、コインランドリーなど、多岐にわたります。
いずれも定期的な収入を得られるケースが多く、会社員であれば給与以外、高齢の方であれば年金以外といった収入源を増やすことができるのが魅力。
初期費用のあまりかからない方法は駐車場、トランクルーム、貸し農園、資材置き場、借地など。
ある程度の初期費用が必要な方法はアパート・マンション、コインランドリー、コンビニ、太陽光発電など。
正しく活用すれば毎月安定した収入を得ることができますので、実現したいことと費用のバランスを図ることが大切です。
節税効果が見込める
土地にまつわる税金には、固定資産税、都市計画税、不動産取得税、所得税、住民税、相続税などがあります。
特に、固定資産税、都市計画税(市街化区域内にある土地にかかる税金)は、土地を持っているだけで発生します。
国や各自治体は土地を活用して欲しいので、建物を建てたり、事業用の土地として活用したりすることで税負担を軽減できるさまざまな制度を設けています。
- 一棟あたりの面積によって最大で固定資産税は1/6、都市計画税は1/3まで税額軽減。
- 不動産取得税は一定の条件を満たせば住宅の課税標準から1,200万円控除。
- 相続まで考えた場合、相続税の評価額を抑えることも可能。
- 経費が発生することにより収益に対してかかる所得税、住民税、個人事業税(10室以上など一定の規模に認定された場合)などを抑えることが可能。
- 減価償却など必要経費によって赤字になった場合、確定申告の損益通算によって全体の所得税を軽減することが可能。
土地を活用してもしなくても、税金がかかるのであれば、収入を増やして節税する方法を選ぶのも一つの手段かもしれません。
メリット3:相続対策として子供への負担を減らせる
土地は自用地(この場合は空き地)として評価されるより、建物を建てて人に貸している「貸家建付地」として評価された方が相続税評価額が低くなります。
そのため、評価額の高い土地を所有している人ほど、相続対策として「土地を活用すること」が有効な方法となります。
相続なんてまだ早い、子供がもう少し大きくなってから、と先延ばしすることで、空き地の手入れや管理が行き届かなくなり、余計な費用がかかってしまう場合もあります。
土地から収益を得られる仕組みがあれば、相続税の負担を軽減できる可能性もありますので、安定的に活用できる方法を今から少しずつでも探りたいものです。
不動産投資のメリット・デメリット

土地活用と聞いてまず思い浮かぶのは、アパート・マンションなどを建てて賃貸経営をおこなう「不動産投資」ではないでしょうか。
広く知られている方法であるとともに、前述したような税額軽減制度やサポートしてくれる業者も数多くありますので、取り組みやすい活用方法になっています。
ここからは不動産投資のメリット・デメリットについて解説していきます。
メリット
安定的な収入源を得ることができる
入居者がいれば毎月決まった賃料を得ることができます。株式のように日々の価格変動を気にする必要もないので、比較的安定した運用ができるのが特徴です。
相続まで見据えた節税対策になる
所有しているだけで発生する固定資産税、都市計画税などを軽減できるほか、アパート・マンション用地は貸家建付地となることから、相続税評価額を下げる効果もあります。
生命保険として活用できる
金融機関から融資を受けて不動産を購入した場合、基本的には団体信用生命保険に加入します。
団体信用生命保険ではローンの返済期間中に名義人が死亡・高度障害になった場合、残債が免除されます。
ただし不動産は残りますので、家族は引き続き賃料収入を得る、売却して現金化するなど選択することができ、保険として活用することも可能です。
最近では、狭い土地でも可能な、戸建てを1棟丸ごと使用する「賃貸戸建て経営」も注目を集めています。
アパート・マンションと比べて必要となる土地や建物にかかる費用が少なくて済む分、初期費用を抑えることができますので、選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
デメリット
入居者がいないと収入が得られない
入居者が常に満員であれば問題はないですが、立地などによっては中々入居者が集まらない可能性もあります。
その場合、収入が少なくなったりなくなってしまったりするので注意が必要です。
多額の初期費用がかかる
アパートやマンションといった大きな建物を建てる場合、およそ2,000万円から億を超える場合もあります。
一般的な土地活用の方法であることから競合も多く、立地条件に左右されることが多いのが特徴です。
事業にはリスクがある
土地を活用するということは事業を始めるということ。
地主からオーナーになる、ということですので「経営する」という視点で安定した収益を得られる方法を、計画的に考える必要があります。
デメリットを考えてしまうと、なかなか行動に移せないかもしれません。
デメリットを把握しつつ、どうやったらメリットを最大限活かすことができるかを考えてみることで、あなたにとってのいいアイデアが浮かぶこともあるかもしれません。
コインランドリー投資のメリット・デメリット

コインランドリーの利用者は天気や世帯人数に関わらず増えてきています。
毛布や布団など大型の家では洗えないものや、靴専用の洗濯機があるのも人気の理由です。
コインランドリーを始めるためには、
- 建物
- 業務用洗濯機
- 乾燥機
が必要となり、初期費用がかかります。
その一方で開業後のランニングコストは低く、長期的に見ればメリットの多い土地活用といえるでしょう。
それでは、コインランドリー投資のメリット・デメリットについて以下で解説していきます。
メリット
人件費がほとんどかからない
コインランドリーは基本的にセルフサービスなので、無人で営業することができます。
清掃や集金、コイン・洗剤の補充といったメンテナンスは必要ですが、ご自身で対応できるのであれば、コストをギリギリまで削減することができます。
節税効果がある
コインランドリー投資で、特に税制メリットの大きいものが「即時償却」によって費用計上を大きくする方法です。
即時償却では、設備費をすべて費用として計上できます。
初期費用の約70%を占めるといわれる設備費用を即時償却として申請することで、初年度の利益を圧縮することが可能となります。
景気に左右されず安定的な収入を得ることができる
生活に密着したサービスなので新型コロナなどの外的な景気の影響がほとんどありません。
ランニングコストを低く抑えることができる
不動産投資では、建物の経年劣化にともない、大小問わずさまざまな修繕が必要となります。
一方、コインランドリーでは最低限の補修をおこなう程度でよく、大規模修繕などは必要ありません。
月々の運営も、利用されていない間は水道代がかからず、待機電力程度で運営できますので、ランニングコストを抑えることができる点が特徴です。
デメリット
多額の初期投資がかかる
目安として、10~15坪程度の小型店舗の場合、洗濯機3~4台・乾燥機7~8台程度の導入で、およそ2,000万円程度(機器代約1,300万円、内装工事約700万円)になります。
とはいえ、コインランドリー開業の場合は、
50~200万円まで補助のある「地域創造的起業補助金」
上限50万円で機械装置費や広告費用の補助がある「小規模事業者持続化補助金」
など、いくつかの補助金を申請することができます。
申請の手間はかかりますが、初期費用の負担を減らせる可能性がありますので、検討してみるといいかもしれません。
犯罪のリスクがある
基本的に店舗は無人のため、機械の破損や盗難など、トラブルや犯罪が発生する可能性が高い傾向にあります。
死角のないよう防犯カメラを設置する、外から店内が見えるようにする、被害に合ったときのために保険に入っておく、などいくつか対策をとる必要があります。
コインランドリーの需要が増え続けている最大の理由は、女性の社会進出です。女性にとって利用しやすいコインランドリーを考えることで、上手な土地活用ができるかもしれません。
土地を活用する際の注意点

最後に土地を活用する際の注意点を3つお伝えします。
所有している土地の特徴を知る
用途地域は定められているのか確認する
用途地域とは、建築できる建物の種類や用途の制限を定めたルールのこと。
すべての土地に定められているわけではなく、都市計画法によって分けられた13種類のエリアが対象となります。
コインランドリーの場合「第一種低層住居専用地域」に指定された土地では開業することができません。
所有している土地が用途地域に定められているかどうか、希望した方法で実現可能かどうかを事前に確認しておきましょう。
周辺の環境をチェックする
土地の周辺に住民は多くいるか、駐車場を確保した方がいいかなど、その土地がコインランドリーに向いているかどうかチェックすることも重要です。
コインランドリー自体の利用者は増加しているとはいえ、どこで開業しても収益を得られるものではありません。土地の特徴を押さえた上で、使用方法を考えた方が効率的に活用することができるかもしれません。
誰のために、何のために活用するのか意識する
オーナー自身のための土地活用であることはもちろんですが、
賃貸住宅であれば、入居者に安心して住んでもらいたい、
商業施設であれば、地域社会に貢献したい、
など、土地活用の先にあるオーナーの思いを大切にすることで、つねに人の集まる施設になるのではないでしょうか。
重視するポイントを決める
どんな投資にも、メリットとデメリット、リターンとリスクは存在します。
デメリットやリスクを把握しつつ、収益性・安定性・転用性・節税対策など、ご自身にとって重視すべきポイントを絞ったうえで、あなたにとって最善だと思う方法を選ぶようにするといいでしょう。
まとめ
2つの活用例を比べた結果、
相続まで見据えた節税を考えるなら「不動産投資」
事業経営としての節税と捉えるなら「コインランドリー投資」
といえるのではないでしょうか。 上記以外にも土地を活用できる方法はありますので、立地条件や社会のニーズを考えながら、効果的な活用をしていただきたいと思います。
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